3月の全校朝礼を行いました。
いよいよ令和5年度も残りわずかとなりました。
次年度に向けて、そして新たなステージに向けてよい準備ができるといいですね。
表彰では、運動部だけでなく、文化・芸術の分野での表彰もたくさんありました。
花小金井南中学校の生徒の活躍はとても素晴らしいと思います。
朝礼 校長あいさつ「留学生が先生より 自分の生き方について」
皆さん、おはようございます。3月になりました。令和5年度も最後の1ヵ月となります。学年の締めくくりとなります。次の学年、そして、3年生は次のステージに向けてしっかりと準備をするような、よい時間を過ごしてほしいと願っています。
先日、3年生の取組として行われた「留学生が先生」という授業を見る機会がありました。エジプト、ロシア、韓国の3つの国から日本に留学に来ている方からそれぞれの国の特徴や文化など様々な話を聞くことができました。韓国からの留学生であるキムさんは、お話の最後に2つのことを語っていました。
1 苦手なことはないですか? 数学?英語?…
私も漢字が苦手でした。本当にやりたくなかったけど、学校で追試を受けて何とかやり切りました。今、日本を留学先に選んで勉強していますが、漢字が苦手だった私が、当時やり切ったことで、とても役に立っています。苦手なものだった漢字が今、自分の役に立っているということも大きいですが、苦手なことから逃げずにやり切ったことはとても自信になっています。苦手なことを完璧にできるようになることは難しいと思いますが、それでもきっと何かの役に立つことはあります。ぜひ苦手なことにも取り組んでください。
2 他の人と自分を比較しないでほしい
何でもすぐにできてしまう他の人と自分を比較して、できない自分を責 めたり、悩んだりしないようにしてほしいです。留学する際に、入学したいと思っていた大学の入学試験を受けて不合格でした。そのときに、他の大学の入学も考えましたが、人生80年、今20歳。あと4倍の人生があるとしたら、1年くらい遠回りしてもいい。そんなことを思って、もう1年勉強して合格しました。結果として、奨学金をもらえることになり、学費や生活費もかからないで勉強をすることに集中することができました。自分は、他の人よりも勉強して力を身に付けるために時間がかかるとわかって、焦らず自分のペースで勉強しようと思いました。
この2つの話を聞いて、校長先生も大切なことだと思いました。
今の社会は、とても寛容になっています。かつては、「何が何でも今これをやる」ということで、嫌なことも我慢したり、分からないことを粘り強く考えたり、していましたが、今は「無理をしないで、できることをやろう」という感じになっています。「他の人と違っていてもそれを認めていこう」という考え方は、多くの人にとって安心して過ごせる社会となっていると思います。とても良いことだと思います。今回、留学生の方の話を聞いて、自分は簡単に苦手なことから逃げていないかな?と考えてみました。苦手なこと、今やりたくないことを避けることは校長先生もあります。それでもそれが自分にとってこの先役に立つ、やり遂げたときに自信になるという話を聞いて、今までよりももう一歩前に進んでやってみようと思いました。生徒の皆さんもちょっと考えてみてください。
また、2つめの話を聞いて、他の人との比較という視点からは少し離れるかもしれませんが、自分の生き方につながっていく話だと感じました。自分がこれから進んでいく道をどうしたいか、常に思うようにいくとは限りません。それでも、道は一つではなく、いくつもの道があり、進んでいくときに大切なのは、その先に何をしたいか、自分がどう生きたいかということなのではないかと思いました。それは、決して他の人ではなく、自分自身が考えて決めることだと思います。先週金曜日には、都立合格発表がありましたが、ここがゴールではないと思います。生徒の皆さん、遠回りしても立ち止まっても大丈夫です。皆さんの未来を自身がどうしたいのか、しっかりと考えて自分で決めて進んでほしいと思います。
留学生のキムさんのお話を聞いて、改めてそんなことを思いました。