皆さん、おはようございます。今日は１学期の終業式です。
　５月より、感染症の対応が見直されました。あれから２ヵ月と少しが経ちましたが、世の中は大きく変化したと思います。学校生活においても、これまでほぼ３年間、制限がある中で行われていた活動も今ではほとんど制限のないものに変化していきました。この３年間、制限があるからこそ、活動が少し緩やかだったところが一気に動き出したことから、この１学期はとても忙しく感じた人が多かったのではないでしょうか。特に１年生は、入学してから今日まで、中学校生活に慣れることから始まり、様々な活動に追われて大変だったと思いますがよくがんばりましたね。入学したころに比べると、標準服にもすっかりなじんでいるように見えます。この夏休みを経てさらに心も体も大きく成長すると思います。慣れない中学校生活でこの１学期間やり切ったことをぜひ自信にもってください。２，３年生も昨年までと違うことに戸惑いながらも、自分たちに何ができるかをしっかりと考えながら自分たちの力で前に進もうと努力をしていたように見えました。昨年までと同じでないというスタート地点から準備をする大変さは、運動会や修学旅行、校外学習などの取組を創り上げていく中で感じたのではないでしょうか。中学校は３年間の成長がとても大きい時期です。運動会で上級生が下級生に見せた姿は、「すごい」の一言だったと思います。やはり中学校の行事はそのような上級生の姿を見て、下級生たちがその姿にあこがれ、そして、それを越えようと新たな目標を立ててがんばろうという伝統が引き継がれていきます。今年の運動会はその伝統を「温故知新」というスローガンと共に思い出させてくれました。
　さて、３年ぶりという点でいえば、「当たり前」という感覚も変わってきたように感じます。いつも目の前にあることに全力で取り組んでいる生徒の皆さんは、それが「当たり前」かどうかなど考えることもないと思います。それは当然のことだと思います。こんな話をしている校長先生ですら、この１学期に実施できた修学旅行や運動会、校外学習や７組の球技大会ができていることが「当たり前」のように感じている瞬間があります。それでもふと立ち止まって少し前のことを振り返ってみるといろいろなことを思い出します。
４年前、私が花南中に着任したとき、何もかもが中止となっていた時に、当時の生徒の皆さんに何度も繰り返し伝えていたことがあります。それは、「このような経験をした生徒の皆さんは、当たり前と思っていたことにとても価値があり、感謝することのできる人になる」「必ず明るい未来が待っている。それを信じている」という２つです。
１学期、多くの活動を経験し、成長した皆さん。ぜひこの終業式という儀式を通じて、振り返ってみてください。今この仲間と一緒に過ごし、日々の活動ができることは、「当たり前」でないかもしれません。笑顔で毎日友達と話ができることや部活動ができることが本当はとても価値があることなのかもしれません。楽しかったこと、嬉しかったこと、悔しかったこと、辛かったこと、たくさんあると思います。きっと大きく成長しているはずです。自分の成長を自分で認めて、そして自分を成長させてくれたすべてに感謝の気持ちを忘れないでください。
　明日から夏休みに入ります。１学期の活動から疲れている人もいると思います。少し気持ちを緩めてホッとした時間を過ごしてもよいと思います。そして、気持ちを整えたらこの夏休みをどう過ごしていくのか考えてみてください。生徒の皆さん一人一人の目標は違うと思います。勉強、部活動、あらたな挑戦…とそれぞれの目標に向かって努力してみてください。先生たちは皆さんを応援しています。
「不安なこと」「心配なこと」などあったときには、１人で悩まずにぜひ誰かに相談してください。必ず力になってくれる人がいます。学校の先生も皆さんの悩みを一緒に考えていきます。いつでも声をかけてください。
夏休みを終えてまたひとまわり成長した皆さんと元気な姿で２学期の始業式に会うことを楽しみにしています。これで１学期終業式の話を終わります。