朝会の話
戦争をしていない国
20220912 村松
(地球儀を見せながら)これは何でしょうか。そうです、地球儀ですね。みなさんが今住んでいる地球です。日本はここですね(地球儀で日本を示す)。
では、この地球にはいくつの国があるかわかりますか。頭の中で、いくつの国があるか思い浮かべてください。数え方にもよるのですが、正解は200か国くらいです。国の数はどんどん増えてきています。
さて今から77年前、この地球で第二次世界大戦という戦争がありました。日本も含めて、世界のほとんどの国が2つに分かれて、戦争をしたのです。世界大戦という名前には、そういう理由があります。第二次世界大戦が終わった1945年、その時の国の数は65か国くらいでした。
ここで問題です。その時の65か国の中で、第二次世界大戦が終わったあとの1945年から今:2022年までの77年間に、一度も戦争をしていない国はいくつあるでしょうか。これは難しいですね。いくつの国が戦争をしていないか、その数を思い浮かべてください。
数え方にもよりますが、正解は6か国です。65のうち、わずか6か国ですから、ほとんどの国が、第二次世界大戦のあとも戦争をしているのです。
ところでみんなが住んでいる日本はどうでしょうか。77年のあいだに戦争をした国?それとも戦争をしていない国?どちらでしょう??
正解はなんと、日本は「戦争をしていない国」なのです。戦争していない6か国のうちの一つです。
今 世界では、ウクライナにロシアが攻め入って戦争をしています。また、同じ国の中で争いごとがある「戦争状態」の国がいくつもあります。
そんな世界にあって、77年もの長きにわたり戦争をしていない私たちの日本は、本当にすごい国だと思いませんか。
私は、ウクライナでの戦争が早く終わり、平和が来ることを願っています。そして、私たちの日本がこれからも戦争をしない国として、80年、さらに100年と続くようにしていきたいと思います。みなさんはどう思いますか。
きょうは「戦争をしていない国:日本」について話しました。
これで朝会の話を終わります。
<裏面に「先生方へ」があります>
<先生方へ>
学校だより9月号の巻頭言に平和について書きました。その中で、日常的に平和について話すことが減っている、学校ではもう少し平和について話していく必要がある、そんなことも書き加えています。
そんな関係で、今回は、平和を取り上げます。最初はSDGsとからめて話そうかと思ったのですが、自分たちの住む日本に焦点を当てたかったので、今回のような話にしました。
これは、社会科授業の名人と言われた「有田 和正(ありた かずまさ)」先生の「戦後○○年」という実践を参考にしています。有田先生は、「追究の鬼」を育てる授業、授業のネタ開発などなど、社会科授業の発展に大きく貢献した方です。特に有田先生は「材料7分に腕3分」ということを主張されました。言い換えると、社会科の授業を盛り上げるのは、授業の進め方というより「よい材料=ネタ」が大切ということです。私は若い頃からこの考えに共鳴し、社会科授業のネタづくりに力を注いだものです。(有田先生の実践をくわしく知りたい方は、「有田和正」で検索してみるといいですよ!)
さて、朝会で話した「戦争をしていない国」というのは、大変難しい内容です。低中学年では、日本はずっと戦争をしていない国である、それがずっと続くようにしていこう、そこを押さえていただければいいと思います。
高学年では、「日本が戦争をしないということを今後も続けていくためには何が必要なのか」を少し考えさせてみてください。よろしくお願いいたします。
<参 考>
・第二次世界大戦終了時の世界の独立国 65か国程度
独立国をどう捉えるかということによるので、多少の誤差あり
・第二次世界大戦後戦争をしていない国 6か国程度
「戦争をしていない」をどう定義するかによって、誤差がある。今回は、戦争に軍隊を正式に派遣していない国ということで考えた。アイスランド、フィンランド、スウェーデン、スイス、オーストリア、日本である。1990年の湾岸戦争で、戦争をしていない国だったノルウェー、デンマークが参加している。
・2022年現在の独立国の数
日本が承認している国196か国(日本を含む) これが政府公式見解の国の数
国際連合加盟国 193か国
日本が承認しているバチカン、コソボ、クック及びニウエの3か国は国連未加盟
教科書での記載 197か国(北朝鮮が含まれるため、日本が承認している国より多い) 日本の大使館数 195か国
(153は該当する国にあり 42は第三国の大使館が兼務している)