皆さんおはようございます。今日から全校生徒がそろって登校できることになりました。教室を見渡したとき、すぐ近くにクラスの仲間がいるという感じは久しぶりですよね。皆さんそれぞれが思うことは違うかもしれませんが、少しずつ通常の生活が戻ってきたことを感じるのではないでしょうか。嬉しいと思う人が多いと思いますが、不安を感じている人もいると思います。先日は皆さんが困っていることや不安に思っていることなどをアンケートの形で書いてもらいました。書いてくれたことに対してはできる限り丁寧に話を聞いているところです。これからも先生たちは皆さんの気持ちを大切にしながら、一緒に考えていきますので、いつでも相談してください。
　今日は2つの話をします。ひとつは私が皆さんの行動をみて嬉しかった話。もうひとつは新しい生活スタイルの話です。
　まず嬉しかった話です。
「みんなの約束」の確認の時間に、皆さんの安全を守るため、登下校で学校の正門前の道は白線の内側を歩きましょう。先輩が見本を見せましょう。という話がありました。動画や写真を実際に見て、車の横ぎりぎりを歩いている様子が分かりましたよね。この話の翌日に私が正門前で、あいさつをしていると、ほぼ全員の生徒の皆さんが白線の内側を歩いていました。先生の話を聞いてすぐに自分の行動を見直すことができる皆さんは本当に素晴らしいと思います。とても嬉しかったです。そんな皆さんと毎朝、校門や南門に立ってあいさつをすることがとても楽しみになっています。
　さて、もうひとつの「新しい生活スタイル」の話をします。前回の朝礼では、「新型コロナウイルスへの感染の心配がなくなったわけではなく、今後は、生活スタイルを見直すことにより感染リスクを減らし、私たちの命を守るというような考え方を社会全体で進めて行くことになるという」話をしました。分散登校の２週間はこのような新しい生活スタイルを身に付けるための準備期間でした。先生から様々な場面で「密にならないように」とか「〇〇をする前と後で手を洗う習慣をつけよう」とか「自分以外のものに触れることに関して意識をしよう」などこれまでとは違った生活スタイルを身に付けて学校生活を送ってほしいという話があったと思います。この２週間、生徒の皆さんがこのようなことをしっかりと受け止めて行動してくれたおかげで、自分の教室での授業だけでなく、理科の実験や数学の少人数授業ができるようになったり、実技教科の特別教室の活用などができるようになったりしています。今日から給食や清掃活動も始まり、来週からは部活動も段階的に再開しようとしています。「新しい生活スタイル」＝「花南スタイル」を生徒の皆さんと先生たちと一緒につくりあげて、よりよい学校生活を送れるようにしていけたらいいですね。
これで朝礼の話をおわります。

花小金井南中学校　校長　堀井賢治

皆さんおはようございます。今日から分散登校という形ですが、３学年そろっての学校が再開されます。皆さんが友達と話をしながら楽しそうにしている姿をみて私も思わず笑顔になってしまいました。学校は皆さんにとっても先生たちにとっても大切な場所であるということを改めて感じます。
　さて、学校が再開されるという嬉しい連絡と同時に、私たちにとって残念な連絡がありました。小平市教育委員会では、生徒の皆さんの健康や安全を守るため、運動会、合唱コンクール、職場体験など皆さんがとても楽しみにしている行事を中止するという決定をしました。多くの皆さんはこのことをホームページなどで知ったのではないでしょうか。緊急事態宣言が解除されたことにより、学校再開をはじめ、これまで自粛をしていたものが少しずつ通常に近い状態に向かって動き出しました。しかし、新型コロナウイルスへの感染の心配がなくなったわけではなく、今後は、生活スタイルを見直すことにより感染リスクを減らし、私たちの命を守る。このような考え方を社会全体で進めて行くことになります。生徒の皆さんの中には、臨時休業中に行事がどうなるのか気になっていた人もいると思います。特に２，３年生は、これまでの先輩たちの姿を見て、「今年は運動会でクラスのみんなと〇〇を頑張りたい、〇〇の役割をしたい」などと考えていたと思います。実際に活動する生徒の皆さんの残念に思う気持ちにはとうてい敵いませんが、皆さん一人ひとりが頑張っている姿・輝いている姿・先輩が後輩のあこがれの存在として背中を見せて活躍している姿などを思い描いていた先生たちもとても残念な気持ちでいっぱいです。
　このような決定がされ、さらに今後の社会の状況がどのように変化していくか分からない中、現時点で皆さんに何か約束することはできません。それでも先生たちはこの１年間を一緒に乗り越えた仲間と共に思い出に残るようなことをしたいと考えています。この後の社会の状況を見て、皆さんに発信して一緒に考えていきたいと思っています。簡単に気持ちを切り替えることは難しいと思いますが、今できることから頑張っていきましょう。

　さて、この臨時休業中、皆さんは家庭学習に取り組んでくれました。課題が出されましたが、出された課題によってはまだ習っていないものや自分で調べなければならない内容のものがあったと思います。
　これまでの学校での学習は、いつも先生が授業を行いその内容について生徒の皆さんが考え、理解し、自分の力にするために家庭学習をするということがほとんどでした。ところが、今回の臨時休業中の学習はどうでしたか。「〇〇をやる」という課題が出てそれがまだ習っていないものや、一から調べなければならない内容であったとき、いつもなら先生がいて「先生が教えてくれる」ところからスタートしていたことが、「自分で考えてみる」ことからスタートしなければならなかったはずです。
「先生から教えてもらう」→「自分で考える」→「理解を深める」というこれまでの学習サイクルではなく、「自分で考える」→「自分の考えを先生と確認する」→「理解を深める」という新しい学習サイクルを体験していたのです。この経験は、実はとても大きなことです。まず自分で考えてみることにより、疑問が出たり、困ったりしませんでしたか。それを解決するために、まず教科書や資料集などをじっくり見たり、インターネット等を活用して調べたりして自分の考えをまとめます。次に自分が考えたことが正しかったのかを先生と一緒に授業などで確認し、理解していきます。こうして深めた理解は今までよりもずっと質の高いものです。習ったことのないことを自分の力で理解するという経験が、新しい何かを発見したり、今までにできなかったことを可能にしたりする力を身に付けることに繋がります。皆さんの中から世界を豊かにする発明や発見をする偉大な人物が出てくるかもしれません。
　今日から学校の授業が始まります。いつもの年よりも１年間にできる授業の数は少ないですが、その中で、いつもの年と同じだけ学習する内容があります。そのようなときに、家庭学習はとても大切です。これから授業の中で先生たちから次の授業までに皆さんに考えてもらいたいことなどが示されると思います。臨時休業で身に付けた皆さんの力を発揮して、まず「自分で考える」ところから学習に取り組んでください。